医療事務という職種の仕事

求人広告などを見ていると、医療事務という職種の仕事が意外に多いことにお気づきでしょうか。医療関係のお仕事をしている方はすでにこの医療事務という仕事についてよく理解しているのですが、一般には医療事務の仕事内容についてあまり知られていません。事務系の仕事であることに変わりはないのですが、医療という言葉がついていることで、医療関係に特化した事務の仕事...そんなイメージでしょうか。実際には、これでだいたいは合っています。医療事務の仕事は医療機関にしかありませんから、医療に特化した事務の仕事です。
それでは医療に特化した事務とはどういう意味でしょうか。確かに医療機関には複雑な医療用語が飛び交っていますからそこで事務の仕事をしていくにはそういった用語に対するある程度の知識が必要になるでしょう。ですが、医療事務の専門性というのはそこではありません。医療事務の仕事には医療機関の経営そのものに関係する非常に大事な業務があるのです。
その重要な業務とは、診療報酬の計算、そして請求です。これはほとんどの方がご存知だと思いますが、お医者さんにかかって診察や治療をしてもらった場合の治療費は全額を自分で負担することはありません。いわゆる3割負担という言葉の通り、全治療費のうち30パーセントを負担すれば良いことになっています。それでは残りの70パーセントはいったい誰が支払っているのでしょうか?「税金」と答える人が多いのですが、厳密には税金で支払っているのではありません。国や地方自治体など、行政が負担しているイメージがあるので税金という答えになるのだと思いますが、実際には健康保険が支払っています。
健康保険証を持っている人は、その健康保険証を発行している発行元に保険料を支払っています。企業の健康保険であっても国民健康保険であってもその保険基金に保険料を支払っていることはおおむね同じです。私たちがお医者さんにかかった際の70パーセントはこういったところからお金が出ています。
そのためには医療機関から「こんな患者に対してこんな医療行為をしました。そのための診療報酬がこれだけなので、そのうちの70パーセント分を支払って欲しい」という請求をしなければいけません。そのための診療報酬を計算、そして保険支払い基金に健康保険負担分を請求するのが医療事務の仕事なのです。医療機関はこれを正しく行わないと診療費のうち70パーセントが回収できませんから、医療事務は経営上も非常に大切な仕事なのです。

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このページは、isが2007年11月27日 17:25に書いたブログ記事です。

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